第28章 その時隠された喜び

白井侑里はバルコニーに出て、稲垣栄作が車を運転して去っていくのを見つめ、拳を固く握りしめた。

白井の両親は心配そうに白井侑里を見つめていた。「私たち、やりすぎたんじゃないかしら。お母さんが高橋お爺さんを手術室に押し込んで、さらにお嬢様を叩いて、お嬢様の継母を拘留所に送った。これで高橋家とは完全に敵対関係になったわね。」

白井侑里は冷笑した。「大丈夫よ、お父さん。稲垣栄作が私と結婚すれば、あの愛人なんて何もできないわ。」

「でも、もし稲垣さんがあなたと結婚しなかったら?」

白井侑里は唇を噛みしめ、自信満々の表情で答えた。「心配しないで、お父さん。私は稲垣栄作の心をしっかり掴むわ。」

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